『Cairn』システムリファレンスドキュメント(v.1.0)

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『ケルン』は、1人の進行役(「Warden(ウォーデン)」という)と、1人以上のプレイヤーのためのアドベンチャーゲームです。
プレイヤーは経験豊富な冒険家として、奇妙な人物、隠された宝物、そして言葉では言い表せない怪物で満たされた暗くて神秘的な森を探索します。

目次

概要

『ケルン』は下記の理念を念頭に設計された。

中立性

ウォーデンの役割は、ルール、状況、NPC、および物語を明確に描写しながら、中立な調停者として行動すること。

クラスレス

キャラクターの役割やスキルは、単一のクラスによって制限されるものではない。代わりに、キャラクターの所持している装備やプレイ中に得た経験がキャラクターの能力を決める。

死亡

キャラクターはいくら強くなっても、さまざまな危険にさらされている。死は常に身近に潜んでいるが、決して無差別に、あるいは何の前触れもなく訪れるものではない。

フィクションファースト

チャレンジの難易度やその結果をかならずしもダイスで表せるものではない。成否はなるべくウォーデンがプレイヤーと語り合う中で、ゲーム内の要素に基づいて決定する。

成長

キャラクターは、危険な出来事を乗り越えたり、障害を克服したりすることで新たなスキルや能力を獲得し、ゲーム中の進歩を通じて変化していく。

プレイヤーの選択

プレイヤーは、自分の選択の背景にある理由を常に理解すべきであり、潜在的なリスクに関する情報は、惜しみなく頻繁に提供されるべきだ。

ガイドライン

批判的思考、探究心、そして創発的な物語を育むプレイ体験を実現するため、ウォーデンとプレイヤーそれぞれのためのガイドラインが用意されている。

目標の共有

プレイヤーは互いに信頼し合い、共有された設定、キャラクターの目標、パーティの挑戦に取り組む。したがって、パーティは通常、チームとして共通の目標に向かって協力し合う。

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ウォーデンのガイドライン

情報

  • キャラクターがゲーム世界を探索する際に、ゲーム世界に関する有益な情報を提供しよう。
  • プレイヤーは、自分の置かれた状況を知るためにわざわざダイスを振る必要はない。
  • プレイヤーの質問には、親切かつ率直に答えることを心がけよう。
  • 正直に答え、一貫した説明をし、常に質問を続けてもよいことを伝えよう。

チャレンジ

  • システムで定義される数値やルールよりも、ゲーム中の文脈や合理性を優先する。
  • プレイヤーのやりたいことがそもそも不可能であれば、ダイスロール自体を許可せず、単に不可能であると裁定する。
  • プレイヤーが説明することと、プレイヤーが置かれた状況への対処法が賢明なものであれば、ダイスロールなしでそれを実現させよう。
  • 大半の不確実な状況下の行動や、危険を伴う行動の成否はセーブで判定する。

危険

  • ゲーム世界はキャラクターに苦痛や死を与え得る危険にあふれている。
  • 深刻な危険が潜む場合はプレイヤーに伝えよう。危険性が高ければ高いほど明白に。
  • 罠は目に見えるところに仕掛け、プレイヤーに解決策を考えさせよう。
  • プレイヤーに問題を解決する機会を与え、ゲーム世界と交流させよう。

選択

  • 状況が停滞したとき、発展をもたらす確実な選択肢をプレイヤーに与えよう。
  • プレイヤーの意図が曖昧なときは「AかBか」と、二者択一を迫ろう。
  • このような会話法を用いて協力し、ゲームを進行させていこう。
  • プレイヤーのキャラクターの行動がゲーム世界に痕跡を残すようにしよう。

準備

  • ゲーム世界は有機的かつ柔軟で、ランダムだ。直感的に発展したり、急旋回したりすることもある。
  • 状況を発展させるには、ストーリーやプロットよりも、ランダム表やジェネレーターを使用しよう。
  • NPCはPCの言動や、PCが世界に与える影響を覚えている。
  • NPCは死にたくない。NPCの人格に利己心と生きる意志を吹き込もう。

物語重視

  • 重要なのは創発的なプレイ体験であり、数字やキャラクターのスキルではない。キャラクターの成長や専門性の向上を促すには武器訓練や個人クエストなどを与えよう。
  • プレイヤーの要望には注意を払い、プレイヤーの行く先々に現実的な機会を設けよう。
  • 高価な鎧を身につけ、いくらトレーニングを積んでいても、喉に短剣を刺されれば死んでしまう。

宝物

  • 宝物は、回収された環境に特有のものであり、それぞれに物語がある。
  • 宝物は高価で、大体かさばる。換金価値や権威をもたらす以外、役に立つことは稀だ。
  • 普通の宝物は異なる、有用で興味深い特徴を持つものはレリックと呼ばれる。
  • 宝物を使い、威圧的な敵が待ち構えるエキゾチックな場所へとプレイヤーをおびき寄せよう。

運命のダイス

  • ときにはランダムな要素の必要性を感じることがある(天候や、キャラクター固有の知識など)
  • その場合は1d6を振る。通常は出目が4以上の時、プレイヤーにとって有利な裁定を行う。
  • そして出目が3以下の時は、プレイヤーやその味方にとって不利な裁定を行う。

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プレイヤーのガイドライン

主体性

  • 能力値やセーブは、あなたのキャラクターを定義するものではなく、道具だ。
  • あなたのキャラクターが何をするだろうかと考えるだけでなく、自分自身なら何をするかも考えてみよう。
  • 固定概念にとらわれず、直感、アイテム、NPCとの関係性を駆使しよう。

チームワーク

  • 突進する前に、プレイヤー同士で協議しよう。
  • 互いに尊重し合い、目標や制約について話し合おう。一人よりも、グループとしてより多くのことを成し遂げよう。

探検

  • 質問したり、ウォーデンの話を詳しく聞いたりすることは、どんな能力値やアイテム、スキルよりも役に立つだろう。
  • ウォーデンの言うことを疑う必要はないが、必要と感じたら詳しい情報を求めよう。
  • 正しい道はひとつではないのだ。

会話

  • NPCを本物の人間のように扱い、安全に情報を得たり問題を解決したりするには、あなたの好奇心を頼りにしよう。
  • 大抵のNPCは興味深い存在であり、荒事になる前に話し合おうとするだろう。

注意

  • 戦闘は必ずしも賢い選択とは限らない。目的を達成するために暴力が最善の方法かどうかよく考えよう。
  • なるべく自分に有利な状況を作り、不利と思われたら撤退しよう。

計画性

  • 思慮深く偵察、調査をし、障害を回避する方法を考えよう。
  • 目的について調べたり、周囲に尋ねたりしよう。

野心

  • 目標を設定し、その実現に向けて使える手段は何でも利用しよう。
  • 期待はしない。評判は勝ち取るもの。
  • 物事を停滞させずに、積極的にプレイしよう。

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キャラクター作成

名前、背景、属性

まずは、キャラクターの名前背景をそれぞれのから選択する、あるいはダイスを振って決める。背景はキャラクターの潜在的な知識や技能を表す。

次に、キャラクター属性表で外見、喋り方、癖、 信念、評判などを決める。

最後に、2d20+10のロールで年齢を定める。

能力値

プレイヤーキャラクター(PC)は3つの能力値を持つ:
頑健(ストレングス/STR)敏捷(デクスタリティ/DEX)、そして意思(ウィル/WIL)。PCを作成するとき、能力値それぞれにつき3d6のロールを順番にする。3つのうち2つの値を入れ替えてもよい。

例を展開

イネスはキャラクターの頑健のために3d6を振り、出目は246で合計12となる。つづいて敏捷9意思13を得る。129を入れ替えて、作成したキャラクターの能力値は頑健9敏捷12意思13だ。

ヒットプロテクション

1d6を振ってPCのヒットプロテクション(HP)の初期値を決める。HPは、戦闘中にキャラクターがダメージを避ける能力を表し、キャラクターの健康や体力そのものではない。失ったHPは簡単に回復できる(治癒を参照)。攻撃を受けたキャラクターのHPがちょうど0になると、傷跡表でロールしなければならない。

装備

キャラクターの装備には10装が与えられている。そのうち、6枠はバックパック、右手と左手で1枠ずつ、そして残り2枠は上半身にある(ベルトや胴体、頭など)。バックパックは、中身を取り出せば緊急寝袋として使える。

ほとんどのアイテムは1枠を埋めるが、小さなものはまとめて収納できる。装備枠は抽象的なアイデアなので、ウォーデン次第で再編成しても良い。

かさばるアイテムは2枠を埋める。一般的には両手で持つ必要があるか、運びにくい。全装備枠が埋まっているキャラクターのHPは0になる。

PCは、与えられた装備枠を超えるアイテムを運んではならない。荷車(両手で引く必要がある)、馬、ラバなどを使うことで装備枠を増やすことができる。雇い人に報酬を支払って荷物を運んでもらうこともできる。

初期装備

スタート時点では、各PCに以下のアイテムが与えられる。

  • 保存食3日分(1枠)
  • 松明1本(1枠)
  • 金貨3d6枚

PCの防具、武器、道具、冒険用具はそれぞれの初期装備表からダイスを振って決める。必要に応じて呪文書表で1d100を振る(あるいは2d10を振り、一方のダイスを1の位、もう一方のダイスを10の位とする)。各ロール結果ごとにアイテムを1つ選ぶ。

各アイテムのアーマー、ダメージ、装備枠は装備品一覧を参照。小さなアイテムは、1枠にまとめることができる。

一般的なキャラクター・クラスにより近しいシステムを望むなら、任意装備パック表を使っても良い。

名前と背景(d20)

女性名

               
1 アグネ 6 ドレリル 11 リラン 16 シビル
2 ベアトリス 7 エルジール 12 リラシル 17 テューン
3 ブレーガン 8 エスメ 13 リサベス 18 ウェナイン
4 ブロンウィン 9 グリヤ 14 モラリル 19 イグワル
5 カノーラ 10 ヘナイン 15 モーグウェン 20 イズレン

男性名

               
1 アーウェル 6 ブレグロール 11 グリンウィット 16 メルナックス
2 ベヴァン 7 カンホレアル 12 グルーウィッド 17 オルサックス
3 ボロス 8 エムリス 13 グルース 18 トリウネイン
4 ボリード 9 エセックス 14 グウェスティン 19 ウェンラン
5 ブリーグル 10 グリングル 15 マンノーグ 20 イルメオール

               
1 アバナシー 6 クラムウォラー 11 ハーパー 16 スウィニー
2 アダーキャップ 7 ダンスワロー 12 ルーマー 17 サッチャー
3 バール 8 ゲトリ 13 モークスミルク 18 トルメン
4 キャンドルウィック 9 グラス 14 スマイス 19 ウィーバー
5 コーミック 10 ハークネス 15 サンダーマン 20 ウォルダー

背景

               
1 錬金術師 6 クレリック 11 魔術師 16 芸人
2 鍛冶屋 7 ギャンブラー 12 傭兵 17 スリ
3 泥棒 8 墓堀人 13 商人 18 運び屋
4 肉屋 9 薬草師 14 鉱夫 19 召使い
5 大工 10 狩人 15 無法者 20 レンジャー

キャラクター属性(d10)

体格

       
1 引き締まった 6 ガリガリ
2 たくましい 7 背が低い
3 ふくよか 8 彫像のような
4 ひょろひょろ 9 骨太
5 いかつい 10 背が高い

       
1 6 丸み
2 黒い 7 柔らかい
3 たるみ 8 日焼け
4 痘痕(あばた) 9 刺青
5 赤み 10 風雪に耐えた

       
1 ハゲ 6 ロング
2 三つ編み 7 豪華
3 カーリー 8 オイリー
4 不潔 9 ウェーブ
5 縮れ毛 10 薄毛

       
1 骨ばった 6 完璧
2 傷だらけ 7 ネズミみたい
3 彫りが深い 8 シャープ
4 細長い 9 四角い
5 青白い 10 暗い

喋り方・声

       
1 そっけない 6 ダミ声
2 轟く 7 正確
3 なぞめいた 8 キーキー声
4 単調 9 吃音
5 畏まった 10 囁き声

服装

       
1 アンティーク 6 ほつれた
2 血まみれ 7 よれよれ
3 エレガント 8 制服
4 汚い 9 臭い
5 異国の 10 染み付いた

美徳

       
1 野心的 6 尊敬すべき
2 慎重 7 謙虚
3 勇邁 8 慈悲深い
4 規律正しい 9 穏やか
5 社交的 10 寛容

悪徳

       
1 攻撃的 6 怠け者
2 辛辣 7 神経質
3 臆病 8 無礼
4 不正直 9 見栄っ張り
5 欲深い 10 執念深い

評判

       
1 野心家 6 怠け者
2 いなか者 7 変わり者
3 危険人物 8 無愛想
4 エンターテイナー 9 ひとかどの人物
5 正直者 10 賢者

不幸

       
1 放棄 6 詐取
2 依存症 7 降格
3 恐喝 8 不名誉
4 断罪 9 勘当
5 呪い 10 追放

初期装備(d20)

       
1-3 4-14 15-19 20
なし 軽装鎧(ブリガンダイン) 中装鎧(チェイン・シャツ) 重装鎧(プレート)

兜・盾

       
1-13 14-16 17-19 20
なし 兜と盾

武器

       
1-5 6-14 15-19 20
ダガー、棍棒、杖 剣、メイス、斧 弓、クロスボウ、スリング ハルバード、ウォーハンマー、バトルアックス

冒険用具

               
1 浮き袋 6 可燃油 11 手枷 16 ロープ(7.5m)
2 解毒薬 7 鉤縄 12 つるはし 17 お守り
3 荷車(+4枠、かさばる) 8 大袋 13 棒(3m) 18 小型望遠鏡
4 鎖(3m) 9 罠(大) 14 滑車 19 火口箱
5 ダウジングロッド(占い棒) 10 鍵開け道具 15 防虫剤 20 毒草

道具

               
1 鞴(ふいご) 6 11 16 網(あみ)
2 7 かなてこ 12 金槌 17 のこぎり
3 まきびし 8 手動ドリル 13 砂時計 18 封水剤
4 チョーク 9 釣り竿 14 金属ヤスリ 19 シャベル
5 鑿(のみ) 10 15 20 火箸

小物

               
1 6 角笛 11 16 石鹸
2 トランプ 7 お香 12 香水 17 スポンジ
3 サイコロ 8 楽器 13 羽ペンとインク 18 タールポット
4 化粧品 9 レンズ 14 塩の袋 19 銅線ワイヤー
5 模倣宝石 10 ビー玉 15 20 小笛

ボーナスアイテム(記載の表でダイスを振る)

       
1-5 6-13 14-17 18-20
道具 あるいは 小物 冒険用具 防具 あるいは 武器 呪文書

呪文書(d100)

               
1 アーケイン・アイ(魔法の目) 26 キュア・ウーンズ(傷治療) 51 スリック(滑り) 76 フォビア(恐怖症)
2 アースクウェイク(地震) 27 グラヴィティ・シフト(重力転換) 52 センス(感知) 77 プッシュ/プル(押す/引く)
3 アイシー・タッチ(氷の接触) 28 グリード(貪欲) 53 ソート(仕分け) 78 プライマル・サージ(原初のうねり)
4 アイデンティファイ・オーナー(所有者識別) 29 ゲート(次元門) 54 ターゲット・ルアー(偽対象) 79 フレア(照明弾)
5 アストラル・プリズン(アストラルの牢獄) 30 コーン・オヴ・フォーム(泡放射) 55 タイム・コントロール(時間操作) 80 フレンジー(狂暴)
6 アップウェル(湧昇) 31 コマンド(命令) 56 チャーム(魅了) 81 ヘイスト(加速)
7 アドヒア(粘着) 32 コントロール・ウェザー(天候制御) 57 ディサセンブル(分解) 82 ベイト・フラワー(餌花)
8 アトラクト(磁力) 33 コントロール・プラント(植物制御) 58 ディスガイズ(変装) 83 ヘイトレッド(憎悪)
9 アニメイト・オブジェクト(物体操り) 34 コンプリヘンド(理解力) 59 ディスプレイス(目の錯覚) 84 ベファドル(困惑)
10 アンカー(いかり) 35 サモン・アイドル(偶像の招来) 60 ディテクト・マジック(魔法の感知) 85 ホーバー(浮遊)
11 アンソロポモファイズ(擬人化) 36 サモン・キューブ(キューブの招来) 61 デフン(失聴) 86 ボディ・スワップ(肉体交換)
12 イルミネート(浮光) 37 シールド(盾) 62 テレキネシス(念動力) 87 マーブル・クレイズ(ビー玉熱)
13 インビジブル・テザー(不可視の綱) 38 シャッフル(入れ替え) 63 テレパシー 88 マジック・ダンプナー(魔法の鈍化)
14 ウィザード・マーク(魔法使いの印) 39 シュラウド(覆い) 64 テレポート(瞬間移動) 89 マスカレード(仮装)
15 ウィジェット(装置) 40 スィケット(茂み) 65 トゥルー・サイト(真実の目) 90 マルチアーム(多腕)
16 ヴィジュアル・イリュージョン(幻影) 41 スウォーム(群れ化) 66 ナイト・スフィア(夜の球体) 91 マンス(館)
17 ヴィジョン(幻視) 42 スカルプト・エレメント(元素造形) 67 ノック(解錠) 92 ミニチュアライズ(縮小)
18 ウーズ・フォーム(軟泥形態) 43 スクライ(念視) 68 パシファイ(平和) 93 ミラー・イメージ(鏡像)
19 ウェブ(クモの巣) 44 スナフ(光消し) 69 バブル(ものまね) 94 ミラーウォーク(鏡による転送)
20 ウォード(守護) 45 スニフ(超嗅覚) 70 ヒア・ウイスパー(超聴力) 95 リード・マインド(心の読解)
21 エックスレイ・ヴィジョン(X線の目) 46 スパイダー・クライム(クモ渡り) 71 ビースト・フォーム(獣形態) 96 リープ(跳躍)
22 エラスティシティ(弾性体) 47 スペクタクル(見世物) 72 ピット(奈落) 97 リキッド・エア(液体空気)
23 エレメンタル・ウォール(精霊の壁) 48 スペルソウ(呪文鋸) 73 ヒプノタイズ(催眠) 98 リペル(反撥)
24 オーディトリー・イリュージョン(幻聴) 49 スモーク・フォーム(煙形態) 74 フィルチ(窃取) 99 レイズ・スピリット(霊魂の呼び出し)
25 オブジェクティファイ(物化) 50 スリープ(睡眠) 75 フォグ・クラウド(濃霧) 100 レイズ・デッド(死体の招来)

装備品一覧(価格単位は金貨)

防具

   
盾(アーマー+1) 10
兜(アーマー+1) 10
ギャンベゾン(アーマー+1) 15
軽装鎧(アーマー1、かさばる) 20
中装鎧(アーマー2、かさばる) 40
重装鎧(アーマー3、かさばる) 60

武器

   
ダガー、棍棒、鎌、杖、など(d6ダメージ) 5
槍、剣、メイス、斧、フレイル、など(d8ダメージ) 10
ハルバード、ウォーハンマー、大剣、など(d10ダメージ、かさばる) 20
スリング(d4ダメージ) 5
弓(d6ダメージ、かさばる) 20
クロスボウ(d8ダメージ、かさばる) 30

冒険用具・道具

       
10 松明 1
網(あみ) 10 チョーク 1
浮き袋 5 角笛 10
馬(+4枠) 75 釣り竿 10
大釘 1 つるはし 10
大袋 5 手枷 10
5 テント(2人用、かさばる) 20
お香 10 毒草 10
5 10
鉤縄 25 荷車(+4枠、かさばる) 30
ランタンと灯油 10 寝袋 5
滑車 10 のこぎり 5
保存食(3日分) 10 鑿(のみ) 5
金槌 5 5
かなてこ 10 はしご(かさばる、3m) 10
可燃油 10 ビー玉 5
金属ヤスリ 5 鞴(ふいご) 10
鎖(3m) 10 羽ペンとインク 10
化粧 10 棒(3m) 5
小型望遠鏡 40 50
シャベル 5 まきびし 10
手動ドリル 10 油布袋 5
砂時計 50 ラバ(+6枠、遅い) 30
スパイクブーツ 5 レンズ 10
スポンジ(大) 5 ロープ(7.5m) 5
聖水 25 鍵開け道具 25
石鹸 1 ワゴン(+8枠、遅い) 200
タール 10 罠(大) 20

任意装備パック

クレリック

 
ウォーハンマー(d10、かさばる)
チェイン・シャツ(アーマー2、かさばる)
籠手(アーマー+1)
清めの刃(d6)
聖印(呪文〈ウォード〉1日1回)
教団のマント

ダウザー

 
鎌(d6)
パッチワークダブレット(アーマー+1)
ダウジングロッド(占い棒)
目石(呪文〈センス〉:淡水につければ)
摩滅した地図
小型望遠鏡

ドワーフ

 
棘根(d6)
松ぼっくり格子(アーマー1)
こて
森アリの瓶
毒キノコ
手動ドリル

エルフ

 
上品な剣(d8)
リカーブボウ(d8)
金糸織りの服(アーマー1)
呪文書(〈チャーム〉あるいは〈ディテクト・マジック〉)
金の笛
浮き袋

ファイター

 
グレイブ(d10、かさばる)
シミター(d8)
短剣(d6)
短剣(d6)
煙草入れとパイプ
サイコロ

修道士

 
笏(d6)
偽りの修道服(アーマー+1)
つり香炉と聖水
ミード1杯
民謡集
荷車(+4枠、かさばる)

騎士

 
大剣(d10、かさばる)
チェイン・シャツ(アーマー2、かさばる)
兜(アーマー+1)
紋章刺繍の肩マント
手枷
上質のロープ

魔法使い

 
焦げ端の杖(d8、かさばる)
ダガー(d6)
呪文書(呪文書表でダイスを振る)
呪文書(呪文書表でダイスを振る)
ぼろぼろの服(隠しポケット)
アオマダラタケ(×2、レリックを参照)

盗人

 
ダガー2本(d6+d6)
フード付きジャーキン(アーマー1)
鍵開け道具
まきびし
鉤縄
金属ヤスリ

レンジャー

 
ロングボウ(d8、かさばる)
手斧(d6)
パデッドレザー(アーマー1)
罠(大)
ブラッドハウンド|HP2、敏捷12、 噛む(d6)
轟音の角笛

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ルール

能力値

3つの能力値は、それぞれ異なる状況で使われる。(以下セーブを参照)。

頑健(ストレングス/STR):ゲートを持ち上げたり、鉄棒を曲げたり、毒に抵抗するなど、体力を必要とするセーブに使われる。

敏捷(デクスタリティ/DEX):避けたり、登ったり、忍び込んだり、均衡を保ったりするなど、バランス、スピード、反射神経を必要とするセーブに使われる。

意思(ウィル/WIL):人を説得したり、欺いたり、尋問したり、威嚇したり、魅了したり、挑発したり、呪文を操ったりするなどのセーブに使われる。

セーブ

セーブとは、危険な選択や状況がもたらす悪い結果を避けるためのロールだ。PCは該当する能力値に対してd20を振る。その能力値以下であれば成功し、そうでなければ失敗となる。1は必ず成功で、20は必ず失敗だ。

例を展開

ベアは、トンネルの入り口を見張る重武装のゴブリン集団に遭遇する。ベアのプレイヤーは、ベアの敏捷が13であることから、警備兵の横をこっそり通り過ぎるのが最良の選択肢だと認識し、慎重にコースを計画する。彼女はd20を振り、結果は10で成功!

治癒

HPは、少しの間休息して水を飲めば回復する。ただし、 その間パーティは無防備な状態になる。能力値の減少(能力値減少参照)は通常、ヒーラーなどの適切な専門家のもとで1週間の休養で回復する。このようなサービスには無料のものもあるが、魔法のような一層早い回復手段には費用がかかることもある。

欠如状態と疲労

PCは重要な要求(食事や休息など)の欠如状態にあると、HPや能力値を回復できなくなる。一日以上欠如状態にあるPCは、一日ごとに、装備に1疲労を追加する。各疲労は1装備枠を埋め、PCが回復できるまで(安全な場所で一晩休むなど)持続する。PCは呪文を唱えたり、ゲーム中の出来事によって疲労を得ることもある。

アーマー

HPへのダメージを計算する前に、ダメージダイスの結果から対象のアーマー値を引く。盾やそれに類する防具は追加アーマー(たとえばアーマー+1)を与えるが、それはキャラクターがそれを持っているか、装着しているときのみだ。 キャラクターはアーマー3を超えることはできない。 盾、籠手、兜などは、使い方次第で追加の効果をもたらすこともある。

NPCの反応

PCがパーティに対する反応が明白でないNPCに遭遇した場合、ウォーデンは2d6を振り、以下の表を参照することができる。

         
2 3-5 6-8 9-11 12
敵対的 警戒的 好奇心旺盛 親切 協力的

士気

敵は、最初の死傷者を出したときと、半数を失ったときに、逃走を回避するための〈意思〉セーブに成功しなければならない。グループによっては自分たちの意思の代わりにリーダーの意思を使用することもある。単独の敵はHPが0になったときにセーブしなければならない。士気はPCに適応されない。

雇い人

PCは探検のサポートに雇い人を雇うことができる。雇い人を作成するには、各能力値を3d6で振り、HPを1d6、そして簡単な武器を1つ(d6)与える。キャラクター作成表でロールしてさらにブラッシュアップする。雇い人の日当は1~3gp、あるいはパーティが手に入れた宝物の分け前だ。

財産と宝物

最も一般的な硬貨は金貨(gp)で、銀貨(sp)10枚、または銅貨(cp)100枚に等しい。

宝物は高価で、大体かさばる。換金価値や権威をもたらす以外、役に立つことは稀だ。宝物はよくPCをエキゾチックで危険な場所へと誘い、しばしば威圧的な敵の保護下に置かれている。

村や砦、港などでは、その土地の希少価値や商品価値に基づいて物々交換や交易が行われる。

魔法

呪文書は1つの呪文が収録され、1装備枠を埋める。呪文書を書き写したり、作成したりすることはできず、墳墓やダンジョン、屋敷などから回収する。

呪文書には、開けると異臭がしたり、知性を持ったり、月明かりの下でしか読めなかったりといった、通常の書物とは異なる性質や制限を持つものがある。

呪文書は、その秘術的な力を求める者の注意を引くので、公然と見せびらかすのは危険とされる。

スクロールは呪文書に似ているが:

  • 装備枠を埋めない。
  • 疲労を引き起こさない。
  • 使うと消える。

呪文の詠唱

誰も呪文書を両手に持ち、その内容を声に出して読めば呪文を唱えることができる。その際、装備に1疲労を追加しなければならない。時間と安全があれば、PCは追加コストなしに呪文の効果を高めることができる。PCが欠如状態にあったり、危険にさらされている場合、ウォーデンは呪文を唱えることによる弊害を避けるために、PCに意思セーブを要求することがある。失敗した場合、意図された効果に準じ、疲労の追加、呪文書の破壊、キャラクターの負傷、さらには死をもたらすかもしれない。

レリック

レリックとは、魔法の呪文や力が込められたアイテムだ。疲労を引き起こさない。通常、レリックには使用回数制限(チャージ)があり、補充条件もある。いくつか例を挙げる:

ハニークラスプ、3チャージ。持ち主の身長を15cmに縮める錆びた指輪。チャージ:ロイヤルゼリーの入った指ぬき大のカップに漬ける。

鷹使いの友、1チャージ。呪文〈ヘイスト〉が使えるボルト型の杖。補充条件:クロスボウから発射し、回収する。

沈黙の杖、1チャージ。この黒焦げの杖は15m以内の全ての魔法を一時的に無効化する。補充条件:満月の光を浴びる。

アオマダラタケ、1摂取分。この緑色のキノコを摂取した者は装備枠から1疲労を失うが、その中毒性を避けるために意思セーブを行う必要がある。失敗した場合、PCはまたアオマダラタケを食べるまで欠如状態に陥り、集中できなくなる。

戦闘

ラウンド

通常は、ゲーム内の時間を厳密に計算しない。戦闘や、タイミングが重要な状況では、ラウンドを使って物事が進む時系列を管理する。ラウンドはゲーム内時間のおよそ10秒で、ターンによって構成される。

アクション

1つのターンでは、キャラクターは最大12m移動し、最大1アクションを取ることができる。アクションとは、呪文を唱えたり、攻撃したり、2回目の移動をしたり、その他の合理的な行動をいう。 各ラウンド、PCはダイスを振る前に何をするか宣言する。キャラクターが危険なことを試みる場合、ウォーデンは該当するプレイヤーやNPCにセーブを要求する。

ターン

ウォーデンはNPCやモンスターが取る可能性の高い行動を予告する。戦闘開始時、PCが相手より先に行動したい場合、各PCは敏捷セーブに成功しなければならない。

例を展開

ベアは偶然、巨大なウッドトロールのなわばりに経ち入ってしまった。トロールより先にアクションを取るために、ベアは敏捷セーブを行う。ベアは失敗して、トロールが先に攻撃する。

攻撃とダメージ

攻撃者は武器のダメージダイスを振って、出目から対象のアーマー値を引いてから、差を相手のHPから引く。非武装攻撃は常に1d4ダメージを与える。

例を展開

ウッド・トロールは咆哮し、HP5のベアに向かって棍棒を振るう。棍棒のダメージダイスは1d10で、ウォーデンの出目は4だ。その結果から、軽装鎧をまとったベアのアーマー1を引き、3の差をベアのHPから引くとベアはHP2が残る。

複数の攻撃者

複数の攻撃者が同じ敵を攻撃する場合、すべてのダメージダイスを振り、最も高い結果だけを残す。

攻撃の妨害と強化

不利な状況下で攻撃する場合(障害物越しや、両手を縛られた状態など)攻撃は妨害される。妨害された攻撃は、武器に関係なくダメージダイスは1d4になる。

有利な状況下で攻撃する場合(無抵抗な対象や、大胆な作戦をしてなど)攻撃は強化される。強化された攻撃は、武器に関係なくダメージダイスは1d12になる。

二刀流

同時に2つの武器で攻撃する場合、両方のダメージダイスを振り、最も高い結果だけを使う。

ブラスト

広い範囲に影響を与える攻撃は、ブラスト効果を有し、範囲内の対象ごとにダメージダイスを振る。ブラストとは、爆発から薙ぎ払い攻撃、隕石の衝撃まで、あらゆるものに適応される。影響を受ける対象の数が不明な場合、該当する ダメージダイスを振って数を定める。

重傷

ダメージを受けた対象のHPが0を下回ると、その分頑健を減少させる。対象が頑健にダメージを受けたときは頑健セーブしなくてはならず、失敗すると重傷を負う。さらに、一部の敵は対象に重傷を与えたときに発動する特殊能力や効果を持つ。

重傷を受けたPCは弱々しく這いずり回る以外何もできない。手当と休息を与えれば安定するが、放置すれば1時間以内に死亡する。

能力値減少

頑健が0になると死亡する。敏捷が0になると麻痺する。意思が0になると錯乱状態になる。 敏捷と意思を完全に失うと、そのキャラクターは長期の休息や特別な手段によって回復するまで行動できなくなる。

傷跡

PCはダメージを受けてHPがちょうど0になった場合、取り返しのつかない変化を受けることがある。詳しくは傷跡表を参照。

意識消失と死亡

キャラクターが死亡した場合、プレイヤーは自由に新しいキャラクターを作成するか、雇い人を乗っ取ることができる。ダウンタイムを減らすために、そのキャラクターがすぐにパーティに加わる。

分隊

同じような戦闘員で構成された集団は、一つの分隊として扱う。分隊が重傷を受けると敗走するか、著しく弱体化する。分隊の頑健が0になると破壊される。

分隊を対象にする個体からの攻撃は妨害される(ブラストダメージを除く)。 個体を対象にする分隊からの攻撃は強化され、ブラストダメージを与える。

撤退

悲惨な状況から逃げるには、必ず敏捷セーブの成功と、安全な目的地が必要。

傷跡

PCはダメージを受けてHPがちょうど0になった場合、取り返しのつかない変化を受ける。受けたダメージの計算結果を以下の表で引く。

   
1 消えない傷跡 1d6を振る|1:首、2:手、3:目、4:胸、5:脚、6:耳。1d6を振る。合計が最大HPより高い場合、新しい最大HP値とする。
2 強打 君は困惑して動揺している。どのように我に返るか述べよ。1d6を振る。合計が最大HPより高い場合、新しい最大HP値とする。
3 打倒 君は飛ばされ、息切れ状態で顔面から落ちる。数時間休息できるまで〈欠如状態〉だ。その後、最大HP値を1d6増加させる。
4 骨折 1d6を振る|1-2:脚、3-4:腕、5:肋骨、6:頭骨。治った後、2d6を振る。合計が最大HPより高い場合、新しい最大HP値とする。
5 病気 君は不快でやっかいな感染症にかかってしまった。完治した後、2d6を振る。合計が最大HPより高い場合、新しい最大HP値とする。
6 頭部外傷 1d6を振る|1-2:頑健、3-4:敏捷、5-6:意思。3d6を振る。合計が該当する能力値より高い場合、その新しい能力値とする。
7 麻痺 本格的な治療を受けて休息するまで、君はほとんど身動きもできない。回復後、3D6を振る。その合計が敏捷の最大値より高ければ、新しい敏捷値とする。
8 失聴 君は特別な治療を受けるまで何も聞こえない。直ちに意思セーブを行なう。成功した場合、意思の最大値を1d4増加させる。
9 啓発 君の精神の隠された部分が解放された。3d6を振る。その合計が意思の最大値より高ければ、新しい意思値とする。
10 不具 手や足など(ウォーデンがどこかを教えてくれる)がちぎれたり、不自由になったり、役に立たなくなったりする。意思セーブを行なう。成功した場合、意思の最大値を1d6増加させる。
11 致命傷 君は欠如状態になり、行動不能となる。治癒しない限り1時間で死亡する。回復したら2d6を振る。新しい合計をあなたの最大HP値とする。
12 運命 死に際だったが、なぜか生き延びた。次回重傷に対するセーブが失敗した場合、あなたはひどい死に方をする。成功した場合、3d6を振る。その合計があなたの最大HPより高ければ、新しい最大HP値とする。

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モンスター

ルートゴブリン
HP4、頑健8、敏捷14、意思8、槍(d6)

  • 有利な状況(数が多いなど)でない限り戦闘を避ける。
  • 集めた盗品を死守する。
  • 呪文書を好んで取引する。

頭巾男(女)
HP12、頑健9、敏捷12、意思14、杖(d8)、呪文書(〈チャーム〉、〈ヒプノタイズ〉、〈プッシュ/プル〉、〈シールド〉から1つ選ぶ)

  • 森の番人:レイラインやルーン石碑などから力を得ているカルト集団。
  • 重傷:対象の魂を一部吸収する(1d4の意思ダメージ)。

狛犬
HP12、アーマー2、頑健14、敏捷1、意思8、噛みつき(d10)

  • 大きな墓やアーティファクトの番人として使われる不動構築物。
  • ありふれた説得術は効かないが、骨は大好物。

ウッドトロール
HP12、頑健15、敏捷12、意思7、爪と噛みつき(d8+d8ブラスト)

  • アクションとして、失ったHPを回復できる。
  • 重傷:対象の傷口から苔と小枝が生え始める。

フロストエルフ
HP14、アーマー1、頑健8、敏捷13、意思14、氷柱のダガー(d6)、呪文書(〈スリープ〉、〈テレポート〉、〈ディテクト・マジック〉から1つ選ぶ)

  • 美しく、道徳観念がなく、長命。
  • ほとんどの魔法に耐性がある。

ボガート
HP3、頑健4、敏捷17、意思13

  • 野性的で毛むくじゃらのいたずら好き。
  • レリックや光り輝く小物を何よりも好むが、硬貨との交換は好まない。
  • ボガートには本性を表す真の名がある。真の名を知る者はボガートを操ることができる。

モンスター作成

以下のテンプレートを使えばどんなモンスターやNPCでも作成できる。

名前 HP◯、アーマー◯、頑健◯、敏捷◯、意思◯、武器(d◯、特殊アイテムや特質)

  • 外見や態度の魅力的な描写
  • 特有の癖や戦術、性質など
  • 特殊効果や重傷の結果

作成ガイドライン 能力値:3は欠陥がある、6は弱い、10は普通、14は特別、18は伝説的。必要に応じて調整する。

  • 普通のモンスターやNPCにはHP3、手強いものにはHP6、危険な相手には10以上のHPを与える。
  • フレーバーテキストにこだわって目立たせる。プレイヤーは、ありきたりなゴブリンの弓使いよりは「いなくなった羊を探す豚顔のヒューマノイド」を覚えるだろう。
  • 攻撃的なモンスターやNPCの脅威や奇妙さを際立たせるためには重傷を使おう。
  • HPは「ヒットポイント」ではなく「ヒットプロテクション」の略であることを忘れなく。HPは回復力、運、気力を示すものであり、健康度を示すものではない。

他のOSRゲームから変換するには

  • ほとんどの場合はHD1ごとにHP1を与える。
  • ほとんどのヒューマノイドは少なくともHP4がある。
  • 士気はHP設定の参考にもなる。

アドバイス:

  • 攻撃を避けるのが得意?HPを与えよう。
  • ダメージを吸収する?アーマーを与えよう。
  • 力強い?高い頑健値を与えよう。
  • すばやい?高い敏捷値を与えよう。
  • カリスマ性がある?高い意思値を与えよう。

ダメージダイスは他のOSRゲームとほぼ同じだが、武装攻撃は少なくとも1d6ダメージを与える。

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100の呪文

     
1 アーケイン・アイ(魔法の目) 術者の指示に従って飛び回る魔法の浮遊目玉を通して見ることができる。
2 アースクウェイク(地震) 地面が激しく揺れ始める。構造物が破損したり、倒壊したりすることもある。
3 アイシー・タッチ(氷の接触) 術者が触れた面に厚い氷の層が半径3mまで広がる。
4 アイデンティファイ・オーナー(所有者識別) 対象の物体に振れると、その上に文字が現れ、所有者がいればその名前が綴られる。
5 アストラル・プリズン(アストラルの牢獄) 物などを不滅の結晶殻の中で時空間凍結する。
6 アップウェル(湧昇) 海水の湧き水が現れる。
7 アドヒア(粘着) 物などを粘着性の高いスライムで覆う。
8 アトラクト(磁力) 指定した2つの物体が3m以内に近づくと、互いに強く磁力で引き寄せられる。
9 アニメイト・オブジェクト(物体操り) 物体は術者の命令にできる限り従う。
10 アンカー(いかり) 術者の両腕から強力なワイヤーが生え、左右15mずつまで2箇所で固定される。
11 アンソロポモファイズ(擬人化) 動物は1日の間、人間の知能か人間の姿を得る。
12 イルミネート(浮光) 浮遊する光を招来し、術者の指示通りに動く。
13 インビジブル・テザー(不可視の綱) 3mまで離れた2つの物体をそれ以上離すことはできない。
14 ウィザード・マーク(魔法使いの印) 術者は指先から術者にしか見えない不可能な色のペンキを発射できる。術者には距離や障害物に関係なくペンキが常に見える。
15 ウィジェット(装置) 描かれた道具やアイテムの原始的な実物が現れ、しばらくすると消える。
16 ヴィジュアル・イリュージョン(幻影) 術者が決める部屋相当の大きさの幻影が現れる。無音で動きもない。
17 ヴィジョン(幻視) 術者は1体のクリーチャーが見ているものを完全にコントロールできる。
18 ウーズ・フォーム(軟泥形態) 術者は生きたゼリーになる。
19 ウェブ(クモの巣) 術者は手首から太いクモの巣を放つ。
20 ウォード(守護) 地面に直径15mの銀色の円が現れる。それを越えることのできない種族を1つ選ぶ。
21 エックスレイ・ヴィジョン(X線の目) 壁、汚れ、服などを透視できる。
22 エラスティシティ(弾性体) 術者の身体は3mまで伸ばせる。
23 エレメンタル・ウォール(精霊の壁) 氷または炎のまっすぐな壁(長さ15m、高さ3m)が地面から立ち現れる。
24 オーディトリー・イリュージョン(幻聴) 指定した方向から聞こえてくる幻想的な音を作り出す。
25 オブジェクティファイ(物化) 術者はグランドピアノとリンゴの間の大きさの物になる。
26 キュア・ウーンズ(傷治療) 術者が触れたクリーチャーは一日ごとに1d4頑健を回復する。
27 グラヴィティ・シフト(重力転換) 重力の方向を変えることができるが、術者のみに適応される。
28 グリード(貪欲) 対象のクリーチャーは術者が選んだ目に見える物体に対する圧倒的な所有欲に襲われる。
29 ゲート(次元門) ランダムな次元へのポータルが開く。
30 コーン・オヴ・フォーム(泡放射) 術者の手から放射される濃密な泡が対象を包む。
31 コマンド(命令) 対象は自分に害を与えない3単語で構成された命令に従う。
32 コントロール・ウェザー(天候制御) 術者は天候を自由に変えることができるが、それ以外の制御はできない。
33 コントロール・プラント(植物制御) 近くの草木が術者に従い、ゆっくりと移動できるようにもなる。
34 コンプリヘンド(理解力) 術者はしばらくの間、すべての言語が流暢になる。
35 サモン・アイドル(偶像の招来) ラバほどの大きさの石像が地面から立ち上がる。
36 サモン・キューブ(キューブの招来) 術者は1秒ごとに、1m幅の土の立方体を召喚または追放できる。新しい立方体は地面か他の立方体にくっついている必要がある。
37 シールド(盾) 術者が触れたクリーチャー1体は1分間、非魔法攻撃から守られる。
38 シャッフル(入れ替え) 術者が見えるクリーチャー2体は瞬時に入れ替わる。
39 シュラウド(覆い) 術者が触れているクリーチャー1体は動くまで姿が消える。
40 スィケット(茂み) 幅15mほどの木々や密生した茂みが突然生えてくる。
41 スウォーム(群れ化) 術者はカラス、ネズミ、またはピラニアの群れに変身する。ブラスト攻撃からのみダメージを受ける。
42 スカルプト・エレメント(元素造形) 術者は対象の無機物を粘土のように手で扱える。
43 スクライ(念視) 術者が今日触れたクリーチャーの目を通して見ることができる。
44 スナフ(光消し) 術者が見える非魔法の光源は瞬時に消えてしまう。
45 スニフ(超嗅覚) かすかな香りでも嗅ぎ分けることができる。
46 スパイダー・クライム(クモ渡り) 術者はクモのように垂直な面や天井を登ったり移動したりすることができる。
47 スペクタクル(見世物) 術者は、現実と見分けがつく印象的な幻像を出現させ、それをコントロールできる。幻像は大きさが宮殿ほどまでで、動きも音もある。
48 スペルソウ(呪文鋸) 術者の胸から回転する刃を放ち、直進しながら邪魔な植物を一掃する。それ以外の物は影響を受けない。
49 スモーク・フォーム(煙形態) 術者の体はコントロールできる生きた煙となる。
50 スリープ(睡眠) 術者が見えるクリーチャー1体は軽い眠りにつく。
51 スリック(滑り) 半径9mの地面が非常に滑りやすくなる。
52 センス(感知) 術者は1つの物(鍵、金、矢、水差しなど)を選ぶ。それの最も近い実例を感じることができる。
53 ソート(仕分け) 物が、術者の設定したカテゴリーに合わせて仕分けられる。
54 ターゲット・ルアー(偽対象) 術者が触れた物体が近くの呪文の対象になる。
55 タイム・コントロール(時間操作) 30秒の間、直径15mの球体内の時間は10%遅く、あるいは10%早くなる。
56 チャーム(魅了) 目に見えるクリーチャーから友好的に接してもらえる。
57 ディサセンブル(分解) 痛みやダメージを与えることなく、術者は体のどの部分も自由に切り離したり、くっつけたりすることができる。術者はまだそれらを制御できる。
58 ディスガイズ(変装) 1人のキャラクターの外見を自由に変えることができるが、ヒューマノイドの限界を超えてはならない。他のキャラクターを複製しようとすると、不気味に見える。
59 ディスプレイス(目の錯覚) 対象は、本来いる位置から5mまで離れたところにいるように見える。
60 ディテクト・マジック(魔法の感知) 術者は近くの魔法のオーラが見えたり聞こえたりする。
61 デフン(失聴) 近くのすべてのクリーチャーは耳が聞こえなくなる。
62 テレキネシス(念動力) 術者は、30kg以下の1つのモノを精神で動かすことができる。
63 テレパシー 2体のクリーチャーはどんなに離れていてもお互いの考えが聞こえる。
64 テレポート(瞬間移動) 術者の見える物やクリーチャーは瞬時、半径15m以内の場所に移動される。
65 トゥルー・サイト(真実の目) 術者は近くにあるすべての幻像を見通す。
66 ナイト・スフィア(夜の球体) 夜空を映した、直径15mの暗闇の球体が術者の目の前に現れる。
67 ノック(解錠) 術者の近くにある普通の、あるいは魔法の錠がうるさく解錠される。
68 パシファイ(平和) 近くのクリーチャー1体は暴力を嫌うようになる。
69 バブル(ものまね) 指定したクリーチャーは、術者が考えることすべてを大声ではっきりと繰り返さなければならない。それ以外は無言だ。
70 ヒア・ウイスパー(超聴力) かすかな音がはっきり聞こえる。
71 ビースト・フォーム(獣形態) 術者は(持ち物も含めて)ありふれた動物に変身する。
72 ピット(奈落) 直径3mと深さ3mの穴が地面に開く。
73 ヒプノタイズ(催眠) 対象のクリーチャーは催眠され、術者からの1つの質問に、はいか、いいえだけで答える。
74 フィルチ(窃取) 目に見える物体が術者の手元に瞬間移動する。
75 フォグ・クラウド(濃霧) 術者から濃霧が広がる。
76 フォビア(恐怖症) 近くのクリーチャー1体は術者の選んだものに恐怖する。
77 プッシュ/プル(押す/引く) 大きさを問わず、術者は一人の力で物体を自分の方に引き寄せたり、自分から遠ざけたりする。
78 プライマル・サージ(原初のうねり) 対象のクリーチャー1体が、その種の未来の姿へと急速に進化する。
79 フレア(照明弾) 明るい光球が空中に軌跡を描き、 敵味方問わず術者の居場所を明らかにする。
80 フレンジー(狂暴) 近くのクリーチャーが暴れだす。
81 ヘイスト(加速) 術者の移動速度が3倍になる。
82 ベイト・フラワー(餌花) 腐敗した肉の臭いを放つ植物が地面から芽を出す。
83 ヘイトレッド(憎悪) 対象のクリーチャーは他のクリーチャーや集団に対する深い憎悪を抱き、その滅亡を望むようになる。
84 ベファドル(困惑) 術者が指定したクリーチャーは、呪文持続時間中に新たな短期記憶を形成することができない。
85 ホーバー(浮遊) 対象の物体は地上60cmの高さで、摩擦なく浮遊する。最大1体のヒューマノイドを支えることできる。
86 ボディ・スワップ(肉体交換) 術者は触れたクリーチャーと肉体を入れ替える。片方の肉体が死ぬともう片方も死ぬ。
87 マーブル・クレイズ(ビー玉熱) 30秒ごとにビー玉が術者のポケットに満ちる。
88 マジック・ダンプナー(魔法の鈍化) 近くのすべての魔法アイテムの効果が半減する。
89 マスカレード(仮装) 対象のキャラクターの外見と声じは術者の触れたキャラクターと同じになる。
90 マルチアーム(多腕) 術者は一時的に腕が1本増える。
91 マンス(館) 数時間の間、頑丈な家具付きのコテージが出現しする。術者の意思で、自由に立ち入りを許可したり拒否したりできる。
92 ミニチュアライズ(縮小) 術者が触れたクリーチャーがネズミほどの大きさに縮小される。
93 ミラー・イメージ(鏡像) 術者がコントロールする術者の幻の複製が現れる。
94 ミラーウォーク(鏡による転送) 鏡は、今日術者が覗いた別の鏡への入り口になる。
95 リード・マインド(心の読解) 近くにいるクリーチャーの表層的な思考が聞こえる。
96 リープ(跳躍) 1回、3mの高さまでジャンプできる。
97 リキッド・エア(液体空気) 術者の周りの空気が泳げるようになる。
98 リペル(反撥) 2つの物体は、3m以内では互いに磁気的に強く反撥する。
99 レイズ・スピリット(霊魂の呼び出し) 近くの死体の霊魂が現れ、術者の1つの質問に答える。
100 レイズ・デッド(死体の招来) 術者に仕えるスケルトンが地面から立ち上がる。スケルトンは信じられないほど愚かで、簡単な命令にしか従わない。

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ルール要約

アクション 1つのターンでは、キャラクターは最大12m移動し、最大1〈アクション〉を取ることができる。アクションとは、呪文を唱えたり、攻撃したり、2回目の移動をしたり、その他の合理的な行動をいう。アクション、攻撃、移動は同時に行われる。ターンの順番が不確定な場合、PCは〈敏捷〉セーブを行い、敵より先に行動するかどうか判断する。

悲惨な状況から撤退するには、必ず敏捷セーブの成功と、安全な目的地が必要。

能力値
頑健(STR):筋力、体力、耐性。 敏捷(DEX):隠密性、素早さ、反射神経。 意思(WIL):説得、威嚇、魔法。

セーブ

  • d20を振って、能力値以下であれば成功。
  • 1は必ず成功、20は必ず失敗。

ヒットプロテクション
HPは怪我を避ける能力を示す。戦闘で失われ、休息すると回復する。

装備 PCは装備枠が10枠ある:体に4枠、バックパックのに6枠(空にして寝袋として使える)。ほとんどのアイテムは1枠を埋めるが、小さなものはまとめて収納できる。かさばるアイテムは2枠を埋め、両手で持つ必要があるか、運びにくい。

全10枠が埋まっているPCはHP0になる。PCは装備枠を超える装備を運ぶことができないが、荷台や馬などを使って枠数を増やすことができる。

欠如状態
欠如状態にあるPCはHPを回復できない。欠如状態が一日以降つづくと、一日ごとに装備に疲労を1つ追加する。各疲労は1枠を埋め、PCが安全な場所で回復できるまで持続する。

治癒
休息して水を飲めば失われたHPが回復するが、パーティは無防備な状態になる。能力値損失の回復は1週間の休養とヒーラーの助けが必要。

呪文書
呪文書は1つの呪文が収録され、1枠を埋める。誰も呪文書を両手に持ち、その内容を声に出して読めば呪文を唱えることができる。その際、PCの装備に1疲労を追加しなければならない。

時間と安全があれば、PCは追加コストなしに呪文の効果を高めることができる。PCが欠如状態にあったり、危険にさらされている場合、PCが意思セーブに成功しなければ悲惨な結果を招く。

戦闘 攻撃者は武器のダメージダイスを振って、出目から対象のアーマー値を引いてから、差を相手のHPから引く。

HPへのダメージを計算する前に、ダメージダイスの結果から攻撃の対象のアーマー値を引く。盾や類似の防具は追加アーマー(たとえばアーマー+1)を与えるが、PCがそれを持っているか、装着しているときのみ。

アーマー3を超えることはできない。

非武装攻撃は常に1d4ダメージを与える。 複数の攻撃者が同じ敵を攻撃する場合、すべてのダメージダイスを振り、最も高い結果だけを残す。二刀流で同時に2つの武器で攻撃する場合、両方のダメージダイスを振り、最も高い結果だけを使う。

妨害された攻撃は、武器に関係なくダメージダイスは1d4になる。強化された攻撃は、武器に関係なくダメージダイスは1d12になる。ブラスト攻撃は範囲内の対象ごとにダメージダイスを振る。

ダメージ
攻撃によりPCのHPがちょうど0になると、傷跡表を参照。

ダメージを受けた対象のHPが0を下回ると、その分頑健を減少させる。対象が頑健にダメージを受けたときは頑健セーブし、失敗すると重傷を負う。重傷を負ったPCは戦闘に参加できなくなり、放置されると死亡する。

頑健0は死亡、敏捷0は麻痺、意思0は錯乱を意味する。


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